スズメ蜂に刺され救急車!! 実話物語
ある日、静かな住宅街に佇む家の玄関ポーチに、数匹の蜂が舞い踊っていた。まるで自分たちにしか理解できない秘密のダンスを踊っているかのように、彼らは空を舞いながらポーチを行き来していた。
私は気にすることもなく、荷物を車に運びながら彼らの存在をただ眺めていた。しかし、突如として頭と肩に鋭い痛みが走った。思わず手が頭に伸び、そこには一匹の蜂が私を刺していた。私は瞬時に家に駆け込み、殺虫剤を手に取った。
「こん畜生と!」怒りに燃える心で、私は蜂に向かって敵うちを仕掛けた。殺虫剤が噴霧されると、空気が甘酸っぱい匂いで満たされ、蜂たちは混乱の中で舞い散る。
やがて、静けさが戻った。私は息を切らせながら、玄関ポーチに残された蜂の姿を見つめた。彼らの命が絶たれたことで、私の怒りも静まっていく。そして、その瞬間、私は自然との共存の難しさを痛感したのだった。
スズメバチ(雀蜂)
「雀ほどもある」または「巣の模様が雀の模様に似ている」ことからその名が
付けられました。
強力な毒を持ち、他者への攻撃性が高い危険な蜂で、刺すのは雌のみで、雄は
毒針を持たないため刺すことはありません。
夕陽が西の空を染め、静かな夕暮れの中、私は頭や腕、そして太ももに痒みを感じながら過ごしていた。液体ムヒを塗りながらも、なんとなくその痒みが収まらないような気がしていた。
お風呂に入って、ゴシゴシとこすってみたものの、かえって皮膚が赤くなり、痒みは一層増してしまったような気がした。それでも眠りにつくことにした。
刺されてから一週間が過ぎても、痒みが収まらず、むしろ蕁麻疹のような赤みと痒さが増してきた。
もうこれ以上は我慢できないと思い、以前にかかったことのある近所の皮膚科クリニックに向かった。受付で待たされることしばし。やっと呼ばれて、問診を受けた。痒み止めの塗り薬の処方箋をもらい、隣の薬局に向かった。
薬局で薬を手に入れる際、薬剤師さんが重要なことを念を押して言った。「もし次にスズメバチに刺されたら、直ぐに救急車を呼びなさい」と。
帰宅してから、4~5日が経とうとしていた。痒みも徐々に収まり、身体の調子も日に日に良くなっていった。
ある日、その懐かしい皮膚科クリニックの前を通りかかった。風情ある建物の前に、閉院を知らせる看板が掲げられていた。老舗のクリニックも、時の流れには逆らえないことを物語っていた。
時が移ろい、風景も変わる。私の心にほんのりと寂しさが漂いながらも、蜂に刺された思い出は永遠に私の中に生き続けるのだろう。
庭先に立つと、目の前に広がる景色がまるで絵画のようだった。もみじの葉は鮮やかな赤やオレンジに染まり、枝から優雅に垂れ下がっている。風になびくたび、その美しい色彩が揺れ動き、心を穏やかに包み込んでいく。
足元にはケヤキの落葉が散らばっていた。それぞれの葉は繊細な模様を持ち、秋の深まりを感じさせる。葉の表面に触れると、ほんのり湿った感触が指先に残る。風が吹くたびに、もみじの葉やケヤキの落葉が舞い踊る。それらは空中で織り成す儚い舞台を演じているかのようであり、目を奪われてしまうほど美しい光景だった。
そんな中、何気なく空を見上げると、ギョギョあれは何だ?!我が家の棟の端に、夢幻的な空間から飛び出してきたような存在感を放つ大きな丸い物体がぶら下がっているではないか。私は一瞬、目を疑いましたが、やはりそれは現実のものでした。40~50㎝もあるであろうスズメバチの巣。そして、私の心には瞬時にスズメバチに刺された恐怖がよみがえった。
私はただただ蜂が飛んでいないか確認してすばやく家に駆け込み、安堵の息をつきながらも、再び立ち上がった。そして、敵うちの計画を練り始めることにしました。スズメバチは恨み重なる冷酷なる仇敵です。私はその恐怖に屈するつもりはありません。気概心と慎重な計画をもって、再び立ち向かう覚悟を決めたのでした。 ※下の写真は実写真です。
スズメバチはミツバチと並び、最も社会性を発達させたハチで、マーブル模様
が特徴的なボール状の巣を作ります。最初は女王蜂が一匹のみで巣を作ります
が、働きバチが羽化すると巣作りを引き継ぎ、急速に成長します。巣は木のく
ずと唾液で作られ、頑丈な外側を持ちます。1年で巣は空になり、翌年再利用さ
れることはありません。低温や雨に弱く、活動は15度以下で鈍り、10度以下で
は動けません。天敵は虫(トンボ・カマキリ)、鳥(ハチクマ★猛禽類のクマ
タカに似た姿を持ち、特にハチを好んで捕食することから、その鳥はハチクマ
と呼ばれるようになった)ほ乳類(熊・ヒト)などです。スズメバチは強力な
毒針を持つため、天敵が一方的には存在せず、天敵を使った駆除は困難です。
初雪が積もった冬の朝、私は決意を胸に、長い竹を手に取った。目標はスズメバチの巣だ。二度、三度と力強く振り下ろしたが、なかなか巣は崩れない。すでに蜂たちは去っており、安心していた。
二段梯子を使い、短い竿で何度も突き刺すと、ついに巣は半分に割れて地に落ちた。割れた巣を見つめると、細かく仕切られた部屋がたくさんありどれも空き部屋だった。自然の中で蜂たちが築き上げた精密な巣の構造に驚きと感動が広がった。
残りの部分も慎重に取り扱い、雪の球に南天の真っ赤な実を添えて土の中に埋めた。静寂の中、私の行動が詩的な要素を帯びていたかのように感じた。その時自然との一体感と、穏やかな冬の朝の美しさが、私の中で心地よい調和を生み出していた。
・・・・・つづく